住宅の性能を表す指標の一つにC値があります。家の性能の重要な要素の一つであるC値ですが、大手ハウスメーカーでは重要視していない会社が多い印象を受けました。机上の計算だけでは良い数値を約束できず、施工の細かい管理も必要になり結果次第ではトラブルにもなりかねないので、あまり触れられたくない領域なのかもしれません。
逆に地域の工務店は気密性能に力を入れており、ホームページなどにも測定結果を記載している会社も多くありました。
私たちはエコハウスを実現するために当初から気密測定を行いたいと考えており、実際に三井ホームで測定する約束をしたので、今回はその理由や経緯を記載しようと思います。
私たちの建築予定の家のプロフィールと測定結果は以下の記事をご覧ください。
C値とは
C値は相当隙間面積のことで、以下の式で表されます。
C値 = 住宅の隙間面積(㎤) ÷ 延床面積(㎡)
例えば、33坪(約100㎡)の家にiphone12(約100㎠)相当の隙間が空いている場合、
C値 = 100c㎡ ÷ 100㎡ = 1c㎡/㎡
となります。
大手ハウスメーカーではほとんどC値の測定は行われていないようです。
実際の数値は不明ですが、省エネにこだわっている工務店より悪く、次世代省エネ基準を満たす5程度のところもあるのではないかと思います。
工務店は1つひとつ職人さんが時間をかけて家を作っていくため、隙間を丁寧に埋めて個別に対応できるためC値を良くできる傾向にあるようです。
反対に大手ハウスメーカーは、ある程度工場で作られた材料を使用してマニュアルに沿って短期間で家を建てます。そのためC値を良くするために、1つひとつの隙間を埋めていく作業は不向きで、大量に良い断熱材を安く仕入れて、断熱材によってUa値を上げるほうが得意な傾向にあると思います。
Ua値:家の中から外への熱の逃げやすさ⇒良いものを使えば使うほど良くなる(机上で算出可能)
次世代省エネ基準の数値は平成11年に設定されてから一度も変更されていないので、最近の住宅では簡単に基準をクリアできてしまいます。
C値にこだわる理由
私の考える究極のエコハウスはエアコンを使用しなくても快適に過ごせる家です。それは無理だとしてもエアコンで最適な温度にした空気が逃げるとそれだけ電気代も掛かってきます。
断熱性能・気密性能・換気システム等の性能に大きく関係する要素の一つでも欠けていたら、他の部分がどれだけ優れていてもトータルでの性能は高くはならないです。
C値の目標値
目標は大きく0.5以下です!
開放的な引き違い窓を複数取っていたり、必要だと思う窓も惜しみなく付けたので、正直ここまで良い数値は出ないとは思っています・・・
現場担当者と話した感じでは「1は下回れると思う・・・」といった感じでした。
C値を向上させるための仕様
C値を良くするために仕様で考慮した部分は以下です。
- 全館空調(エアコン1台のみ)→室外機のための穴を何箇所も空けなくてよい
- 大半を縦滑り出し窓にして引違い窓を減らす
- 将来設置用のエアコン用の穴は開けておかない
- 気密コンセント仕様にする
- コンセントはできるだけ外壁に接する面にはつけない
滑出し窓はハンドルできっちりと閉まり、レールもないため気密性能が高いです。
ネットや書籍などから情報を集め、できることは全てやりました!
書籍は「ホントは安いエコハウス」や「エコハウスのウソ」を参考にしました。
ハウスメーカー毎の対応
住宅メーカーによって気密に対する考え方は様々です。メーカーによっては「次世代省エネ基準をクリアしています」としか言わず、詳細を聞かれないようにしているようなところもありました。その中でも良いなと思った会社を挙げていきます。
全棟気密測定
以下の2社は全棟気密測定を実施しています。
- 一条工務店
- セキスイハイム(グランツーユー)
一条工務店はホームページにもC値0.59c㎡/㎡記載しており、これに魅力を感じて興味を持つ人が多いと思います。
セキスイハイムのグランツーユーは、カタログにC値0.99c㎡/㎡と記載しており(グランツーユーのみ)、営業マンに過去測定したらどのぐらいの数値が出たのかを聞いたところ、確実にカタログ値の0.99は切ってきているとのことでした。
三井ホームの場合
夫が一条工務店の性能に魅力を感じていたため、気密測定をしたいと営業マンに伝えたところ始めは渋い顔をしていました。やはり数値として出てしまうことを恐れていたのかもしれません。
「お金を払えば測定してもらえますか?」
と聞いたら、それについては問題無いという回答でした。
しかしその後、契約間際に一条工務店と悩んでいることを伝えたところ「無償でやります!」と前のめりに言ってきてくれ、実施することが決まりました。
三井ホームのC値に対する対応
現場担当者と話をしたところ、これまではほとんど計測をしたことは無いような感じでした。
測定は完成後の1回お願いすることになりました。
どうやら測定のために本社から社員の方が来ていただけるとか・・・
測定結果についての記事は以下の記事をご覧ください。
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